思い出しながら。
2013年 02月 25日
12年前のアメリカのフレズノで開催された、ボーイズリーグの世界大会。
春の大会で全国優勝をした堺ビッグボーイズから、当時監督の私が監督で、当時コーチだった土井監督がコーチで、そして選手4名が選ばれました。その時のキャプテンが久富コーチです。
私は世界大会にスタッフとして4度目の経験で、日本は6連覇中でした。
今までの経験では、日本は実践にすごく慣れており、小技もすごく使ってミスを誘い、試合に勝利する。他チーム、特にアメリカ、メキシコは体格に恵まれるも、ミスが多く、それが失点につながり敗戦する、粗い印象でした。
ただし、彼らはストレートでグングン押してくる。フルスイングしてくる。思い切り三振する。思い切りがいいな~って印象でした。
顔見知りになったフレズノチームの監督、ガルシアはよく言いました。「Japanは素晴らしい。」
私の知るアメリカの人は自ら批判的なことをあまり言いません。そして、いつも日本のことを褒める割には自分たちのやり方も否定しない。ちょっと親しくなったので聞いてみました。
「じゃあ、なぜ日本のやり方をしないの?」
ニコッと笑って、『テクニックはいつでも出来る。今の彼らにはこれでいいんだ。』
「???」が、その時の率直な気持ちです。
その表情が印象に残りながら・・・。
そう、小学校、中学校の日本は強い。目の前を勝つために、ひたすら、ひたすら、するから。
でも、結果、早熟させてしまう、燃え尽きてしまう、ケガをしてしまう、のをたくさん見てきた。
ちょっと、考えても見てほしい。超一流プレーヤーが集って世界一を争うWBC。
そんな大の大人が、アスリートがする野球に球数制限を設けているのは知ってのこと。
なんで球数制限するの?を、日本では問わない。
きっと、選手を守るため、開幕前にムリをさせない、コンディションを最優先してのことのはず。
それを、今、私の目の前では、まだまだ身体が出来ていない中学生、13~14歳の子供たちが、この「くそ寒い」時期に、しかも変化球ばかり投げて、勝負に執着している。いや、させている。
世界の育成的視点から見ると、「とんでもない」行為だと思う。でも、日本ではそれがスタンダード。
ギャップはすごく大きい。
今までの日本では、少年の野球人口が突出して多かった。でも、これからはそうじゃない。『育成』もアプローチをもっと深く考えないといけない。
試合には負けた。でも、彼らはやる気がなかったわけでもない。そして弱いわけでもない。
そして言いたい。「今の彼らにはこれでいいんだ。」
「これからもどんどんチャレンジしていこう!」
技術的にも、そして人間としても、今は小さくまとまる必要はない。思い切って、チャレンジ、チャレンジ。
その先の人生で、必ず成果は出るから。
代表S